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無二/Muniの財布が強い理由

vol.2 カードポケットパーツ

2018年07月25日(水)


コードバンレザーブランド【無二/Muni】の製品は、全てオールレザー仕立てになります。メイン素材のコードバンはもちろん、内装の牛革(サドルレザー)もタンニン鞣しのヌメ革になります。※一部、イタリア製のショルダーレザーを使用しておりますが、こちらもタンニン鞣しされたヌメ革を使用しております。

なぜ、ヌメ革なのか、、、それは財布や名刺入れ、小銭入れ、キーケースといった日常で使う頻度が多い製品を”長く使っていく事を想定した”時に、ヌメ革の方が耐久性を考えた上で良いと思ったからです。革は使い込んでいくと、良く馴染み、色深く変化する様子が味わい深く、温かみを感じれる素材です。そしてこれは革の良い部分です。僕は革に触り始めてから ”馴染んでいく” と言う部分にいつしか注力していました。この ”馴染む” と言う部分を逆の感覚で見てみると、、、馴染んでいるという事は ”ヘタっている?” のではと思ったのです。もちろん何年もかけて色々な製品を使ってみた経験から感じた結果です。僕が言う「長く使っていく事を想定している」と言うのは、その”ヘタリ”をいかに感じさせないモノづくりをするか?!にあります。元々ヌメ革は、3ミリから5ミリほど素材の厚さを残して鞣される事が多く、この厚みがヌメ革の特徴でもあるのです。靴底や鞄などで1枚革で仕立てられるものには10ミリ強の厚みを使う場合もあると思います。厚みがあればあるほど素材の耐久性は上がるという事になります。

純粋にタンニン鞣しのヌメ革を楽しむのであれば、厚みのある革で仕立てられたものを、「ワイルドだろぅ〜〜〜?!」って感じでしょうか(笑)財布の蓋が閉じないくらい硬い革の物を、年月をかけて蓋が自然に閉じるまで育てて行くという楽しみ方もあります。しかし、財布や名刺入れ、小銭入れ、キーケースといった日常で使う頻度が多い製品は、時代の変化と共に、薄くて収納力があり、使い易いものへというスタイルに変化してきました。

無二でも、そういった時代の変化の流れはもちろん意識しています♪ただ、「革の良い部分は削ぎ落としすぎず」という部分にも拘っています。タンニン鞣しのヌメ革の特徴は、味わい深い経年変化、素材のハリとコシ、そしてそれらを生み出しているのが、タンニンで鞣されて、尚且つ  ”引き締まった繊維質” なのです。もちろん、近年はオイル分を多めに浸透させたしなやかさを強くしたヌメ革、イタリア製ショルダーレザーなどもありますが、ヌメ革となるベースは同じです。

何をお伝えしたいかというと、、、ヌメ革を薄くしすぎると、ヌメ革の特徴が無くなってしまうと言うことです。革の表面(人間で言う皮膚の部分)を支えているのが、その下の繊維質なので、「薄くする=繊維質を削ぐ」と言うことになりますので、必要以上に薄くしずぎますと、、、ハリやコシが無くなってしまう事になるのです。無二の仕立てはオールレザー仕立てです。一枚革のパーツは薄くしすぎず、適度にハリとコシを維持できる最適な厚み維持をしながら、一つ一つ手を加えて行く事でパーツの耐久性UPそして全体的な耐久性UPと完成度の向上に務めています。

そこで今回の「カードポケットパーツ」の作り込みについて解説させて頂きます。

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※写真の素材はイタリア製ショルダーレザーのROSSO(レッド)です。革の表面のみを手染め染色しているため、表面と裏面の様子がわかりやすいので、こちらの素材で説明させて頂きます。 現在は芯通しといって、裏面まで染まっている素材になります。

一枚の革から、製作アイテムのサイズにあったパーツを切り出していきます。無二では、パーツを切り出してすぐに使う訳ではないのです。今回はカードポケットパーツですが、、、パーツを切り出した後はそのパーツ一つ一つに手を加えて完成度を上げて行きます。

パーツ切り出し後、パーツ裏面を部分的に薄くする漉き加工を施します。上の写真左側のように、カードポケットのかさ張りを抑えるため、下に向かうほど薄くなるように裏面の厚みを調整します。カードポケットパーツ1枚あたり、革漉き機という機械を使って4回、手で包丁を使って1回、合計5回の漉き加工を施します。ラウンドファスナー長財布、長財布、長財布(小銭入れ付き)に使用するカードポケットパーツはそれぞれ8〜10枚あります。財布製作の過程での一手間ですが、時間をかけて漉き加工を行なっています。カードポケットパーツ上部は、耐久性が必要なので適正な厚みをしっかりと残しております。

そして次の写真になりますが、漉き加工を施したパーツの裏面です。左右で色が違っているのが分かりますか?右側のパーツの色が薄いのに対して、左側は色濃く変わっていると思います。

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これはどうしてかと言いますと、、、適材適所の漉き加工が終わった後に、繊維質を引き締める加工をしているからです。この引き締め加工は、繊維質の毛羽立ちを抑えて整えることで美しく仕上げられるという意味もありますが、無二では、繊維の引き締め材をしっかりと浸透させて耐久性持たせる事を意識しています。カードポケットは、カードを差し込む事で口部分が横に広がる力が掛かります。その負荷に対して伸びにくくなる様に加工を施しています。もちろん、使用するカードポケットパーツ一つ一つに施しています。

そしてこの後、熱による念入れ加工、そしてコバ磨きという工程を終えてカードポケットとして使用できるパーツに仕上がります。

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カードポケット口部から少し下がった位置に熱を入れながら一本の線を入れています。これが念入れです。シルエットを引き締める意味もありますが、熱入れにより伸び止めの意味もあります。

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カードポケットパーツも、最後にコバ磨きを終えて完成となります。どの工程もとても大事な作業になります。

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組み立て前に時間をかけてパーツ精度を上げる事で、製品になった時には全体的な耐久性も格段にアップしています。地道な作業の積み重ねですね♪

製品をお届けしたお客様から、実際に製品を手にとって、「とても感動しました!」というお言葉を頂きます♪このお客様のご感想は僕にとって感無量のお言葉で、とても嬉しい限りです。そして、お使い頂く事で更に、その良さを感じて頂けますと幸いです。

大変お待たせしておりますが、引き続きしっかりと製作させて頂きたいと思っております。コードバンレザーブランド【無二/Muni】に興味を持って頂き本当にありがとうございますm(_ _)m

〜前回の「無二/Muniの財布が強い理由」vol.1コバ磨き仕立てのブログはこちら〜

Thank you!

Muni(無二) Leather / Yasuji Miyazaki.

プレミアムコードバンレザーブランド【無二・Muni】

無二・Muniオフィシャルサイト→ http://muni-leather.jp

無二・Muniオンラインショップ→ http://cordovan.muni-leather.jp/

主宰 宮崎泰二 (info@muni-leather.jp)

※ プレミアムコードバンレザーブランド【無二/Muni】を主宰しております、宮崎です。近年、コードバンが皮革製品の素材としてこれまで以上に普及し始めています。無二でも使用している「新喜皮革」製のコードバンは、今では世界的にもファンが多くアジアやヨーロッパなど海外でも注目されています。人気が出ることは嬉しいことですが、コードバン自体の入荷が1年以上掛かる状況は、未だ緩和の兆しが見られません。。。今後も素材の入荷待ちでお待たせしてしまう事が考えられます。何卒ご理解のほど、よろしくお願い致します。入荷など気になる事がございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。info@muni-leather.jp

インスタグラム(無二/Muniレザーアカウント)→ https://www.instagram.com/muni_leather/

フェイスブック(無二/Muniレザーアカウント)→ https://www.facebook.com/muni.cordovan/

ツイッタ →  https://twitter.com/natural2007

vol.1 コバ磨き仕立て

2017年09月22日(金)


「コバ磨き」とは、革の切り口(断面)を滑らかに整えながら磨き上げる作業工程です。コードバンレザーブランド【無二/Muni】では、この「コバ磨き」を取り入れた作り込みで製品製作をしています。

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オイルコードバン・ブラック×ブラック(MWL-01)

 

過去のブログ(2016年2月14日:磨きコバ仕立てについて)でも書いており、重複する内容となりますが・・・笑。一見、他の革財布となんら変わりない【無二/Muni】の財布が、なぜ強いのか?!その理由を、いくつかの項目に分けて書き留めていきたいと思います。無二レザーの特徴を知って頂くと同時に、今後の革製品選びの参考にして頂けますと幸いです。

磨きコバ オイルコードバン・ナチュラル×ブラウン
オイルコードバン・ナチュラル×ブラウン(MWL-02)

 

無二では、この「コバ磨き」を取り入れた仕立てを、単なる製造過程の作業工程ではなく、製品の仕上がりを左右する重要な作業工程という意味から、「コバ磨き仕立て」という表現をしています。

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オイルコードバン長財布(MWL-01)

 

コバ磨きは一枚のパーツにも、何層にも重なった部分にも同じように行います。特に何層にも革パーツが重なった部分が、一枚革の様に仕上がっていく様子はとても美しいものです。

単に色をつけて仕上げたコバなのか、、、繰り返しの磨き込みで仕上がったコバなのか、、、よく見るとわかります♪もちろん、後者の「繰り返しの磨き込みで仕上がったコバ」の方が、磨き剤がしっかりと浸透しており、耐久性も耐水性も備わっています。そして、コバ面に凹凸感がなく、美しい断面になっていると思います。

磨きコバ オイルコードバン・ブラウン×ベージュ
オイルコードバン・レッドブラウン×ベージュ(MWL-01)

 

それでは、この「コバ磨き仕立て」について順に説明していきます。

コバ磨きはベジタブルタンニンなめしの”ヌメ革”を加工する上では欠かせない工程になり、革製品の製作において基本となる工程です。

革の切り口(切断面)を手触り滑らかになるまでヤスリ掛けと磨きを繰り返して仕立てていく訳ですが、、、牛革は皮膚と繊維質の2層で構成されています。切り口の角を落とし、断面をヤスリで整えていきますと、繊維質の層が毛羽立ちしてボソボソ?ボロボロ?の状態になります。次の写真が、ヤスリ掛けで断面の凹凸を整えた状態です。

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コバ面のヤスリがけで凹凸を整えた状態

 

目視で繊維質の毛羽立ちが確認できると思います♪コバ面の真ん中にパーツの貼り合わせた境目も確認できると思います。この状態から、磨き剤を浸透させ、毛羽立ちを押さえて滑らかな面になるようにイメージしながら磨き込んでいく訳です。磨く際には、木でできた磨き工具(ウッドスリッカー)や、綿のクロスなどを用いて、エッジ(角)が立たないよう滑らかな曲線美の断面に仕上げていきます。コバ面がしっかりと耐久性と耐水性を兼ね添えた状態になるまで、「ヤスリ掛け→磨き」を何度も何度も繰り返します。革の状態によっては、一日置いて時間をかけて仕上げていく場合もあります。

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磨き込んだコバ(上段)と磨き前のコバ(下段)

 

毛羽立ちが収まり磨き上がったコバは如何でしょうか?上の写真の「磨き込んだコバ(上段)」と「磨き前のコバ(下段)」を比べると、、、初めてご覧になる方は、同じもの??とビックリされることだと思います(^^)

この仕上がりが、ベジタブルタンニンなめしの”革”(ヌメ革)の特徴です。ベジタブルタンニンなめし革は、使い込んでいくうちに味わい深い変化をしていきます。木材で言えば、無垢の状態です。メンテナンスケアをしなければ、汚れも付きやすく、水分も良く吸います。日光に当たることで、色深く変化もしてゆきます。その変化する性質の一部を「コバ磨き仕立てに」生かしているのです。

※化学薬品でなめされるクロームなめし革では、ベジタブルタンニンなめしと”革の性質”が違うため「コバ磨き仕立て」は難しくなります。ここでは、クロームなめし革の説明は省かせて頂きます。

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コードバン・ナチュラル×ベージュ(MWL-01)

 

【無二・Muni】は、馬の臀部繊維質の革・コードバンと牛のヌメ革(いずれもベジタブルタンニンなめし革)を使用した革製品ブランドです。

牛のヌメ革は、皮膚と繊維質の2層構造であることは先ほど説明させて頂きました。では、コードバンの構造はというと・・・コードバンとは、馬の臀部繊維質を加工した革です。牛のヌメ革でいう皮膚と繊維質部分は、ホースハイド(馬革)として加工されます。そのさらに下に、「コードバン層」と呼ばれるコラーゲン繊維質が存在しており、もちろん皮膚は付いていませんのでコラーゲン繊維質「1層構造」となります。

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兵庫県・姫路市のコードバンタンナー「新喜皮革」

 

コードバンを構成しているコラーゲン繊維は、牛革の繊維構造とは違い、繊維の配列が密でキメが細かく構成されています。【無二・Muni】製品のコバ磨きをする上で、牛革の2層構造とコードバンの1層構造を馴染ませながら仕上げていくことに神経を注いでいます。繊維構造が違うので、牛革と牛革の貼り合わせ面とは違って馴染みにくく、表面上、綺麗に仕上がったように見えても実際はまだ馴染んでいないこともあります。

財布は、革製品の中でも使用頻度が多い製品になります。曲げ伸ばしの負荷が掛かる場所も多いですし、コバ磨きの仕立てが甘いと当然、ガタガタになり、型崩れの原因にも繋がります。

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コードバン・ナチュラル 長財布、名刺入れ、小銭入れ

 

正直なところ、沢山の数を作りたいとという事を優先させれば、「コバ磨き」工程は省こうと思えば省ける工程です。でも、省いた分だけ良いもの(あくまで僕自身の中での価値観です。)は提供できなくなります。良いものとは、見た目だけでなく、お客様の手元に渡り、安心してご愛用いただけるもの。そしてさらに長くご愛用いただけ、愛着の湧いてくるものだと思っています。

使って頂いて実感して頂けるであろう部分なので、見た目には他の製品となんら変わりはありません。むしろシンプル過ぎて見た目は劣り、見た目の評価はマイナススタートかもしれないです(笑)でも、それで良いと思っています。使って頂ける方の満足度が日に日に増すのであれば、それで良いと思います。

ただ、、、そのためには、高耐久は必要不可欠となります(^^)

コバ磨きは、完成まで時間のかかる工程の一つですが、、、安心してください!今後もしっかりと丁寧に磨き上げていきます!

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コードバン・小銭入れ(MCC-01)

 

ひとりごと・・・【無二・Muni】 では、通常使用の負担及び負荷を想定し、革の厚み調整、パーツ構造、仕立てを考えています。できるだけ薄く構成もしたいのですが、オールレザー仕立てで、革本来のハリやコシ、変化を楽しめ、耐久性を兼ね備えたものを♪という想いから、「薄すくしすぎない」という部分も重要だと思っています。

 

今回の「無二/Muniの財布が強い理由」〜vol.1 ”コバ磨き仕立て”はここまでとさせて頂きます。最後までご覧いただきありがとうございました(^^)今後も、コードバンレザーブランド【無二・Muni】を宜しくお願いいたします。

 

気になる事がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。info@muni-leather.jp

See you later.

 

<お知らせ>石川県・金沢市で【無二・Muni】製品がお求め頂けるようになります。詳しくは「金沢市(石川県)でご覧頂くために / For viewing in Kanazawa City (Ishikawa)」をご覧くださいませ。

 

プレミアムコードバンレザーブランド【無二・Muni】

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無二・Muniオンラインショップ→ http://cordovan.muni-leather.jp/

主宰 宮崎泰二 (info@muni-leather.jp)

※ プレミアムコードバンレザーブランド【無二/Muni】を主宰しております、宮崎です。コードバンが皮革製品の素材として、これまで以上に普及し始め、そして~無二でも使用している「新喜皮革」製のコードバンは、現在ではアジアやヨーロッパなど海外でも注目されています。人気が出ることは嬉しいことですが、コードバン自体の入荷が1年以上掛かる事も多くなって来ました。。。出来るだけコードバンを切らすことの無いようにストックを持って制作しておりますが~今後、カラーによっては素材の入荷待ちになる事が考えられます。何卒ご理解のほど、よろしくお願い致します。入荷など気になる事がございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。info@muni-leather.jp

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