長財布のメンテナンスをさせて頂きました。

2022年01月26日（水）

今回、メンテナンスにお預かりした財布は、、、コードバンではなく牛ヌメ革の長財布です。

私が石川県金沢市でショップをしていた時にご購入してくださったお客様からのご依頼で、かれこれ10年程ご愛用頂いている長財布でした。
財布を送って頂き、実物と対面した時にはとても懐かしく、所感では、経年の割には全体的に綺麗にお使い頂いている様子でした。

そして当時の事を思い出しながら診断させて頂きました。

経年の割に綺麗ですが、やはり10年、、、随所にそのダメージが見られました。
外装は、黒ずんだ箇所と水シミが目立ちました。

内装は特に目立つようなシミなどは少なめでしたが、カサつきがありました。

当時のショップ名「Natural・ナチュラル」のロゴが懐かしい長財布です。
カードポケット部は油分が抜けていることから革のカサつき、そして擦り傷が目立ちました。

↓もちろんコバ面もチェックさせて頂きました↓

ヒビ割れ、スレ、接着剥がれがありました。

コバ部の状態で注意しなくてはいけないのが、コバ面が綺麗に馴染んでいると分かりにくいのですが、、、接着が効いているようで効いてない（接着が剥がれている）状態があるということです。

財布は蓋の開け閉めの動きがあり、その度に革の表面は曲がったり伸びたりという動きが発生します。経年で接着部の弱まりが出てくると、コバ部分も同様に動き出します。そして接着が剥がれてステッチだけで留まっているという状態になってしまいます。

そしてその後は想像できると思いますが、、、
ステッチに負荷がかかり、緩んだり、ステッチが擦れて弱くなっている部分がありますと、ホツレに繋がります。
通常はステッチのホツレが無いとコバ面にはあまり注力しないと思いますし、パッと見は接着が効いているように見えます。経年の財布や革小物の場合、千枚通しのようなもので貼り合わせ面を触ってみると、接着が効いていない事があります。
普段からのお手入れで、できるだけダメージが減らせると良いですね♪

という事で今回は、通常のメンテナンスにプラスオプションで「コバの再仕上げ」を追加で実施させて頂きました。

では、写真を見てもらった方がわかり易いと思いますので〜
メンテナンス実施後の写真をザッと載せていきます！
スクロールして上のメンテナンス前の写真とメンテナンス後（AFTER）を見比べてみてください。

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＜外装＞
「汚れ落とし」のクリーニングと「水シミ等のムラ感をできるだけ無くす」処置を施して、数回に分けて油分多めのオイル塗布、油分少なめのクリーム塗布で「保革」をしながら経年変化の風合いを残しつつ全体的に色味を整えました。

＜内装＞
「汚れ落とし」のクリーニングと油分多めのオイル塗布と油分少なめのクリーム塗布で「保革」を行い、しっとり感とツヤ感を戻しました。

＜コバ面＞
ヤスリがけで元の膜を取り除き、「再接着」と「磨きと削り（面が整うまで数回繰り返し）」でコバの再仕上げを行いました。

★☆☆★
お客様には、完璧な仕上がりに感激して頂けました。
この後は、お客様自身でもメンテナンスしていただければ良い状態をキープしながらさらにご愛用していただけると思います。
メンテナンス＆リペアのご依頼に感謝致します。

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メンテナンスメニューを作成しました♪
詳しくはブログをご覧くださいませ。

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