磨きコバ仕立てについて
2016年02月14日(日)
革製品の仕立てには、大きく分けて2種の仕立てがあります。
①磨きコバ仕立て・・・革の切り口(切断面)を手触りが滑らかになるまで磨きとヤスリ掛けを繰り返して仕立てる方法。
②ヘリ返し仕立て・・・革の断面を覆い被せ、コーナー部分を放射状にヒダを寄せていく「菊寄せ」という技術で仕立てる方法。
お手持ちの革製品の角や断面を見ていただければ、どの仕立てで作られているか確認できます(^^)
両方とも革製品の仕上がりを左右する工程で、省くことはできません。ライン(シルエット)が歪まずにしっかり出ているか?引っ掛かりなどなく綺麗に仕上がっているか?など、見栄えや機能性にも影響がでる重要な工程です。
プレミアムレザーブランド【無二・Muni】では、①の磨きコバ仕立てにてコードバン長財布やコードバン名刺入れ、コードバン小銭入れの革製品を仕立てています。
滑らかなコバ面になるまで、革の切り口を荒らすところから始まり、磨き材(液)を擦りこみながら磨いて革を引き締め、ヤスリ掛けをして断面を整え、革の状態を確認しながら「磨き」と「ヤスリ掛け」を何度も何度も積み重ねていきます。
そうすることで、滑らかな切り口の「コバ面」を整えると共に、「耐久性」と「耐水性」も持たせる事ができます。そうして硬く引き締まったコバ面はすぅーっと一本の直線が引かれたようなシルエットで表現され、何ともいえない重厚感のある雰囲気を感じさせてくれます(^^)
そして、硬く引き締まった「コバ面」は革製品本体をダメージから守ってくれるのです。
では、、、どんなレベルまで仕立てるのか?
プレミアムレザーブランド【無二・Muni】の革製品は、数年つかったくらいではヘタらないよう、時間を掛けてしっかりと磨きこんでいます。
<コバ磨き後>
※上の磨いたものと、下の磨いてないものを並べると、わかりやすいと思います。
プレミアムレザーブランド【無二・Muni】は、外装のコードバンと内装の牛革サドルレザーを合わせています。素材が違うことはもちろん、革の繊維構造が違います。異素材の組み合わせなので、普通に張り合せますと接着面が馴染まず数年後に簡単に剥がれてしまう事があります。
プレミアムレザーブランド【無二・Muni】では、革と革を張り合わせるという感覚ではなく、お互いの繊維を馴染ませていくという意識で仕立てています。そういった意味合いからも、磨きコバ仕立てを丁寧に行い、決まった磨き回数ではなく、その時の素材の状態を確かめながら見合った磨き回数を施します。
一品生産のメリットがそこにあると感じています。
無二・Muniオフィシャルサイト→ http://muni-leather.jp
無二・Muniオンラインショップ→ http://cordovan.muni-leather.jp/
【無二・Muni】Yasuji Miyazaki